うさぎ

来院時のお願い


出来る限り上部と前面の2箇所に扉のあるケージ(プラスチック製が好ましい)に入れてご来院ください(点滴や注射などケージの中で行えるのでうさぎのストレスが少なくて済みます)。

 

食事管理


チモシーを主体とした牧草を主食で与えてください。
ペレットの適切量は体重あたり約1.5%と言われています(体重1kg当たりペレット15gまで)。
この量を超えると不正咬合、毛球症、膀胱結石等のリスクが増えます。

 

主な病気


1 不正咬合

うさぎの歯は生涯伸び続けます。
主食を牧草ではなく、ペレットなどを多く与えていると歯の噛み合わせが悪くなり、口の中で舌や頬に傷が出来てしまいます。

模式図

口の中で上の歯は外方向に伸びて頬(上の2つの青丸)、下の歯は内側に伸びていき舌(下の二つの青丸)を傷つけます。

症状

食欲がない、口をモゴモゴする、よだれが多い、涙・目やにが多い、目の周りが腫れている

治療

前歯のみ:カッターで前歯の切断

奥歯:全身麻酔下にて奥歯の尖っている部分をカット

開口器               歯切り用カッター

 

2 毛球症

牧草を食べる量が少ない場合や、他の病気によるストレス等で胃腸の動きが悪くなり、毛に限らず食べ物、ガスなどが胃腸に停滞します。

症状

食欲低下、便の量が減る/小さくなる

治療

一般的に点滴と胃薬で1週間ほどで良くなることが多いですが、中には手術にて停滞した毛を摘出しなければ治らないケースもあります。

 

3 膀胱結石

アルファルファやカルシウムの多く含んだペレットを多く食べることにより膀胱内に結石ができてしまいます。

症状

おしっこの色が赤い、回数が多い

治療

手術により結石を摘出します。

 

4 子宮疾患

4歳を超えたメスのうさぎに多発します。
一般的に子宮の腫瘍と蓄膿症が多いです。

症状

陰部からのオリモノ・出血、血尿

*膀胱結石と血尿は一緒なので超音波、レントゲンによって区別します。

治療

卵巣子宮全摘出術を行います。

 

当院での麻酔


当院で行う全身麻酔では、特別な例を除き(不正咬合など)下記のうさぎ用ラリンゲルマスクを使用しています。
従来、うさぎは気管内挿管が難しく麻酔の強さ、呼吸管理が困難でした。
ラリンゲルマスクは気管ではなく喉頭部(喉の奥)にチューブを固定することで気管内挿管と同様に呼吸状態の把握、吸入麻酔の調節ができるものです。
一般的に犬猫より麻酔リスクの高いうさぎに対し、できる限り安全に行えるよう努力しています。